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  [ 全てを任せてキスをする 4 ]
2014-02-14(Fri) 06:00:00
食事を終えて風呂も終えた。
ほかほかに温まったままの体で、彼が居間に入る。
髪をタオルで拭いながら、彼が笑う。

僕達は一緒に、シャワーを浴びなかった。
僕が先に入って彼が後に入った。
そういう話をした訳でもなく、
そういう流れになっただけの話だ。

「はあ、さっぱりした」
「ビール飲むかい?」
「あ、うん。ありがとう」

彼はビールを買ってきていた。
僕の好きな銘柄と、彼の好きな銘柄だ。
もちろん、つまみもついている。
彼は豆類が好きで、僕は乾物が好きで、
それら2種類もあった。

共にプルトップを開けて、乾杯をする。
きんきんに冷えたビールが、するりと喉を通っていく。
これがまた、最高に美味い。

缶が空く頃、彼がゆっくり寄ってきた。
そして、こてんと僕の肩に彼の頬がくっつく。

「酔ったのかい?」
「まあ、ちょっとは」
顔を上げないで彼は言うが、色っぽい声だった。
何となくだが誘っているのだと察しがつく。

それでも、僕はまだ自信が持てない。

いざ、という時になって僕はできるだろうか。

考えながら返事に困っていると、くすくすと笑い声がした。
肩を震わせながらおかしそうに彼が笑っている。

「公明、困ってる」
「困らせているのは君だろう」
「そうだね、ごめん」
「謝られたらもっと困るよ」
笑う彼を見て、僕もつい笑った。

ふと、彼の首筋を見る。
白くて滑らか、それでいて艶やかだった。
少しだけまだ汗ばんでおり、何だか色っぽい。
ついつい、ごくりと喉が鳴ってしまった。

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