2015-03-01(Sun) 06:21:51
「ごめん。すぐに電話終わらせるから」
少しだけ静かに頼むよ、とでも言わんばかりに、 俺の唇に、そっと指を当ててきた。 そして、動きながら電話に出てしまった。 「はい、鬼塚です。どうも、いつもお世話になってます。 あ、あれの件ですね。ええと、ですね‥」 動きを止めて、鬼塚さんはパソコンを操作している。 どうやら、ローションとかゴムとか、大人の玩具とか、 俺達がいつも使っている道具の、発注についての確認らしい。 ふうっと息を整えていると、鬼塚さんが見上げてきた。 電話からは保留音がする。 それに気付くと同時に、頭を下げられて唇が重ねられた。 「ねえ、マイトが動いてよ」 「え?だってまだ電話終わってないでしょ?」 「もうすぐ終わるからさ」 鬼塚さんが下腹部を、くいくいと突いてくる。 もうすぐ終わるならいいか、なんて軽く思ってしまい、 自ら腰を振る。 冷めかけていた熱が、かあっと燃え上がり、 イクまで止めたくないと思った。 すると、保留音が終わって会話が始まった。 俺は声が漏れないように手で口を塞ぐ。 そうやって俺なりに、鬼塚さんへ配慮しているのに、 そんな配慮さえもまるで嘲笑うかのように、 胸の突起を噛み、鬼塚さんから激しく突いてきた。 「ふ、う、うう‥っ」 口を塞いでも、唇を噛んでも、 声が漏れてしまうし涙が溢れてくる。 こんな状況なのに、すごく気持ちいい。 こんな状況なのに、イキたくて堪らない。 そうだよ、もう我慢はいい。 声だけを堪えて、さっさと扱いてさっさと達しよう。 そうすれば、体の熱は冷めて体も心も楽になる。 自らソレを扱こうと、口を塞いでいた手を伸ばしたら、 鬼塚さんの左手に、ぱんっと弾かれた。 声を堪え、涎を垂らしながら顔を上げると、 余裕そうに笑っている鬼塚さんがいた。 次話へ 前話へ お気に召しましたら一票お願いします。 |