BLUE BIND
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実は私、献血大好きなのです。
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寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて2nd 41 ]
2010-07-16(Fri) 09:40:31
阿久津城
俺の部屋の前で、扉を開けようとしたウツミの手を制す。
しーっと言うように、ウツミの口に指を当てると、
音を立てずに部屋の扉を開けた。
ほんの数ミリの間から、ぎしぎし軋むベッドのスプリング音と、
英語での会話と、ミレトスの喘ぎ声が聞こえてくる。
予感が的中し、クレウスとミレトスは、まさに最中だった。
声が出ないよう片手で自分の口を塞ぐウツミは、
目を大きくさせて息を飲んでいた。
生々しい現場を見たのは初めてだろう。
テレビで見るのとはわけが違う。
扉を閉め、引きずるようにウツミをキッチンへ連れていき、
すとんと静かにイスに座らせる。
ウツミを落ち着かせようと、冷たい水を勧めた。
「‥2人の関係、ジョーは知ってたのか?」
「まあな」
クレウスとミレトスは、俺がアリゾナにいく前から、
兄弟であるにも関わらずあんな関係になっていた。
しかし、2人は、こっちへくる前にケンカしたらしい。
もちろん先約の存在は本物だけど、
ミレトスは俺と遊びまくってストレスの捌け口にしていた。
ウツミは、コップを置きながら呟いた。
「‥ケンカしてたんだ」
「2人が喋ってるとこ見たことないだろ」
なにやら思い当たったのか、ウツミは納得した表情だった。
「ケンカを確信したのはさっきの会話だけどな。
あ、ウツミは英語判らないか」
「‥悪かったな」
ウツミは、ぷくっと頬を膨らませた。
「クレウスが女の子に誘われて、ショッピング行ったんだって。
彼のプレゼントを選んでほしいって頼まれてらしいけど、
それをミレトスが浮気したって勘違いしたらしい」
ウツミは苦笑いをした。
俺達の今回の展開と、似たようなものを感じたんだろう。
「‥それにしても、ジョーが災難だったな」
「災難だったけど無下にできないんだ。
あんな2人だけど、俺にとってはでかい恩があるからさ」
「‥恩?」
「誰も信じられなかった時が俺にもあった、
ウツミにそう言ったの覚えてる?」
頷いたウツミを見て、すうっと息を吸い込んだ。
話すきっかけは揃った。
もうそろそろ言ってもいいだろう。
「高校入学するための書類整理をしていたら、
俺がここの養子だって知ったんだ」
ウツミは固まった。
突然、こんなこと言われたら固まりもするか。
固まりを少しでも和らげようと、
ウツミの頭を撫でながら話を続けた。
それを知った俺は、何がなんだか判らず、パニックになった。
次第に、俺を産んだ親も、俺を育ててる親も、どっちも恨んだ。
俺がいらないなら産むなよって思ったし、
俺がイヤでアリゾナ行ったのかなって悲しくなった。
だから、ケンカふっかけられて丁度ラッキーだったんだ。
正当防衛、という名前のストレス解消のサンドバック。
悪いことしたとは思ったけど、すっきりなんてしなかった。
ここまで話してから、コップの残り水を飲んだ。
ウツミは無意識なのか、俺のシャツを掴んでいた。
当時の俺の辛さを無意識に感じ取ったのか、
とても必死そうな、それでいて苦しそうな顔をしている。
「あはは。俺今はもう平気だって。
それとも、ウツミが辛くなるなら話やめるか?」
「‥ううん。ちゃんと聞きたい」
嬉しさを込めて、俺はウツミの額にキスをした。
ケンカがきっかけで、アリゾナに行くことになった。
クレウスとミレトスに会って楽しくすごせたし、
親ともたくさん話をして、俺はちょっと変われた。
俺は、どこかの城に置かれていたらしい。
それを拾われて、保護後、今の親がすぐ引き取った。
名前の由来は、そこにあった。
だけど、養子と判ってから名前が嫌いになった。
「でも、今は違う。
この名前だから、ウツミが覚えててくれて話しができた。
嫌って、憎んで、でも認めて、そして受け入れて、
今はこの名前が好きで、すっげ感謝もしてる」
「‥うん」
「そういう気持ちになれたのも2人がいたからなんだ。
あんなんだけど根はすっげいいんだぜ」
そう言うと、ウツミは俺に抱き付いてきた。
ぎゅうっと抱き締める力が強かった。
母親は病気のせいで10代で子宮をなくしている。
だから子を授かれない。
でも、血縁だけが親子じゃない。
「ウツミなら判るだろ?」
「‥うん。話してくれてありがとう」
「こっちこそ、聞いてくれてありがとな。
あと、話すのが遅くなって悪かった」
ウツミは首を横に振った。
きっかけが掴めなくて、なかなか言い出せなかったけど、
これで、ウツミに全て伝えきった。
「ウツミ顔上げて」
そろそろと顔を上げるとウツミの目が潤んでいた。
俺のことなんかで泣くことないのに。
「泣くなって」
「‥泣いてない」
「泣いてないならここ座って」
イスに座っているウツミをテーブルに促す。
テーブルに座ったウツミの瞳が、じっと俺を捕らえた。
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ちょっと湿っぽい話になりました。すみません。
これでジョーとウツミ、各々の生い立ちを書けて満足です。
では、エロに突入します(*´_ゝ`)ムフ
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