BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
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寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ その雪景色窓辺より 8(R18) ]
2010-09-15(Wed) 05:20:16
ちょっとだけと畳に転がったつもりが、今は布団の中。
しばらく喋りながらビールを飲みまくり、
青柳の部屋でいつの間にやら寝たみたいだ。
ペンションは布団がセルフ方式で、
押入れの布団を、勝手に引いて勝手に寝ていい。
青柳が布団を用意し、ここに俺を転がしたんだろう。
いくら各部屋にオイルヒーターが完備されていて、
ペンション自体が適温だとしても、雪山内にある建物だ。
布団で寝ないと風邪を引く。
布団が隣にもあって青柳が寝ていた。
可愛い寝息が、ここまで聞こえる。
俺、自分では判らないけど寝言を言うらしい。
念仏を唱えるように何事か呟くみたで、
もっぱら友人にはネタにされるほど好評ではあるが、
青柳にはそれがうるさくなかったか心配になった。
部屋の暗闇に目がようやく慣れてきて、
時計を確認するとあと5分で3時になるところだった。
自分の部屋に戻ろうかと考えてやめる。
静まっている建物を騒がしたくない。
それくらい、廊下の軋みで宿泊客を起こす、
ということがここでは全く無いわけじゃないからな。
もう少し寝ようと目を閉じる。
瞬間、背後で人の気配を感じ、ぞっとして振り返ると、
なぜか青柳が寝転がっていた。
しかも、すやすやと寝たままこっちに潜ってきたらしい。
はあ、びっくりした。
さすがに霊感はないが、出たらどうしようかと思った。
青柳のこの行動は、わざとなのか寝ぼけているのか。
どちらにせよ、青柳を転がして布団に戻しても、
今のようにまたこっちへ転がってくるかもしれない。
そう考えて、俺はこのままで寝ることにした。
丸まった掛布団の四隅を整えながら、
風埃をたてないようにゆっくり掛布団をかけると、
青柳の目から一滴の涙が、ぽろりと落ちた。
ほらな、自棄酒したって元恋人のことなんか、
忘れられるはずないに決まっている。
どういう恋愛の外形であろうとも、
泣くくらいマジメな交際を続けてきたんだろう。
青柳も、元恋人も、どっちもバカだ。
こんな顔を見せつけられさすがの俺も切なくなり、
濡れた頬をそっと撫でた。
すると、俺の手に青柳が手を重ね、
気持ちよさそうに頬擦りしてきたではないか。
ああ、もう、どうなっても知らないからな。
だったらせめて夢見で意中の人物とキスしやがれ、
と、俺は青柳の幸福を願い、そっと唇を重ねた。
すぐに離れて、少し間を置く。
青柳の無反応を確認し、
唇に触れるだけのキスを繰り返した。
最後にキスしたのは半年前くらいだったっけ。
それも、恋人ではなくその日限りのパートナーだ。
愛情のないキスでもそれなりに気持ちいいけど、
青柳と交わしたキスは予想を超えるほどどきどきした。
すると、青柳が目を覚まし悠然と唇を離した。
「ん、あれ?どうして赤石が僕の布団にいるの?」
「それ逆だから」
青柳は、寝ぼけ眼で、じっと俺を見つめて、
後にある自分の布団を見つめた。
そして、唇を触りながら目を大きくする。
ようやく事態を把握したのか青柳は赤面した。
把握してもそれを処理しきれないのか、
口をわなわなと震わせている。
どうやら頭で言葉が紡げないらしい。
俺は慌てる青柳の涙を拭いた。
「さっき、寝ながら泣いてるの見えてさ、
それくらい心がしんどいなら楽にさせたいなって‥
あ、いや、こんなの言い訳だよな。ごめん。
せっかくの旅行でイヤな気分にさせたな」
そう言うと、赤面したままの青柳は、
ぶんぶんと首を横に振った。
「いや、あの、こっちこそ色々とごめん」
マジできもい、ってな台詞じゃないだけ収穫だった。
この調子でもうちょっと収穫できないだろうか。
「しんどいなら、手だけでも繋いで寝ようか?」
今時の学生も、こんなウブな寝方はしないだろう。
だけど、今の俺は、それが精一杯だった。
すると、青柳が、またもや首を横に振りまくった。
そりゃあ男と男が手を繋ぐなんてのは、
ストレートにとっては、気持ち悪い行為か。
「そうだよな。やっぱやめよう」
「そうじゃなくって‥」
青柳は、顔を俯けたまま目を閉じた。
構える唇が、明らかに俺からのキスを待っている。
どういうつもりだろう。
収穫成功、と捉えていいのか悪いのか。
理性的には、青柳がどういう判断で、
行動に至ったのかその詳細を知りたいとこだが、
本能的には、なるようになれ、と気持ちが高揚した。
「するよ?」
声をかけると青柳がこくりと頷く。
やはり、俺からのキスを待っているらしい。
瞬間、本能は理性に勝利し、善悪をも排除した。
俺は静かに青柳に唇を重ねる。
青柳はぶるっと身震いしたが、俺の唇を受け止めた。
しばらく短いキスを続けてから、思い切って舌を入れる。
アルコールがまだ抜け切っていない口の中は、
溶けそうなほど熱くて、そして最高に美味かった。
「ん、赤石‥っ」
「ヒロって呼んで、カズ」
「‥あ、うっ、ヒロ」
カズに呼ばれてテンションが高ぶった。
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