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  [ 星が刻んだ未来さえ 44 ]
2011-01-21(Fri) 05:35:53
翌日にはどうにか回復した。
それでも全快ではなく、寝込むほどではない程度で、
大学は行かずに自宅で休んでいた。
すると、夕方になってから彰彦からメールがきた。
これから顔を見に行っていいか、という内容だった。

たぶん、バイト中に郁央が彰彦に喋ったんだろう。
ちょっと熱出して寝込んだだけなのに。
ったく、しょうがないな。

おもてなしはできませんがそれでよければ、と返信する。
すると、10分もしないうちにインターホンが鳴った。

「あはは、近くのコンビニからメール送ったんだ」
あまりの早さに驚いていると、笑って彰彦は言った。

はいこれ、と渡されたのはコンビニで買ったらしき、
ゼリーやプリンやシュークリーム。
しかも、かなりの量が袋に入っている。

「って、病人にシュークリームって初耳なんだけど」
「絶対買っていけって晋平がうるさくてさ。
 舞斗、シュークリーム好きだったの?」
「好きだって言った覚えはないけど、
 昔あまりにも腹減って売店のを食べたことある」
「晋平は、それをどこかで見かけたんだね」
「どっかの家政婦かっての」

言って俺達は笑った。
すると、彰彦がいきなり真顔になって、俺を見た。

「何?」
「舞斗、悩んでること何かあるよね?」

ぎくりとして、コンビニ袋を握り締めた。
たけど、俺なりにポーカーフェイスを通したつもりだ。

「悩みごとがない人なんかいないって」
「そうだけど、そうじゃないよ。
 バイトしてからの舞斗どっかおかしいもん」

見ていないようで見ているってことか。
鈍そうな彰彦の鋭さに、開き直って俺は言う。

「で?悩みがあるなら何?」
「言いたくないなら言わなくていいよ。
 だけど、あんまり抱え込まないようにね」

そういうのが頑張りすぎているという所以だろうか。
俺自身そこは無自覚で、言われてもよく判らない。

彰彦は、優しく笑った。
その暖かさに触れて、俺も笑う。
「ん、ありがと。俺のことは置いといて、
 彰彦も早く彼女を作れば?」

言うと彰彦は赤くなった。
どうやら満更でもなく、気になる人がいるのか。
それとも俺達に内緒にしていて、
とっくに女の子と付き合っているのか。

「やだなあ、もう」
「あれ?もしかして気になる人とかいんの?」
「今はバイトと大学が忙しいから」
「回答になってないって彰彦」

彰彦との会話で、俺はやっと日常に戻ってきた。
それからしばらく、楽しく彰彦と喋った。

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